しのぶの庭。

主に「どうぶつの森」や「ポケモン」などの日記を書いてます。たまに変なパンダを描いてます。

今週のお題「心に残った本」

今週のお題は「心に残った本」
今回は難しいね。何か宿題みたいだ(´・ω・`)


心に残った本かぁ・・・
基本的にライトノベルが多いから、あんまり為になる本は読んでないですね。
あくまで読書は趣味だから、そこから何か学ぼうとは思ってないです(笑)


僕があげる「心に残った本」は山月記です。
高校生の頃に現代文の教科書に載っていた中島敦の短編小説です。
卒業後にどうしても読みたくて、古本を購入したほど気に入っています。

山月記・李陵 (集英社文庫)

山月記・李陵 (集英社文庫)

とにかく文章が美しい。何と言うかリズムがあります。例えば、

己(おれ)は次第に世と離れ、人と遠ざかり、憤悶*1と慙恚*2とによって益々己(おのれ)の内なる臆病な自尊心を飼いふとらせる結果になった。
人間は誰でも猛獣使であり、その猛獣に当るのが、各人の性情*3だという。
己の場合、この尊大な羞恥心が猛獣だった。虎だったのだ。

など。もちろんこれ以外にも綺麗な文章がたくさんあります。
好きなところあげていったら、ほとんど本文になってしまうくらいです(笑)
上手く説明できませんが、心の琴線に触れる作品でした。
虎になってしまった李徴の悲しみと憤り、後悔が当時の僕の心を締め付けました。
授業中に泣きそうになったくらいです。目が潤みました。
李徴になりきって読むとかなり涙腺に来ます。今でもです。


そして特に好きなフレーズが「臆病な自尊心と、尊大な羞恥心」
僕にも虎になるほどではありませんが、持ち合わせている「心の猛獣」だと思っています。


この作品を扱った授業は僕にとって楽しく、おかげでテストの点数はかなり良かったです(笑)

*1:ふんもん。怒りが発散できずいらいらすること。

*2:ざんい。恥じ、怒ること。

*3:せいじょう。人間の性質と心情。